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平成 26 年 8 月 27 日( 水 ) | |
全日本医療経営研究会 | |
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平成26年度診療報酬改定は、私たち国民にとって国民皆保険制度が始まった時以来のインパクトがあるような気が致しました。おそらく今回の改定が、いずれ日本人の終末期の死に対する考え方にまで影響を及ぼすのではないかと思っています。在宅を含めた地域包括ケアシステムで高齢者を支える方向性が示されたことにより、将来的に日本でも北欧型のケアが徐々に浸透し、摂食や嚥下ができなくなったとき嚥下訓練を行い、効果がない場合、延命せずに自然な形で死を迎えることも珍しくなくなると思われます。一時的に医療の現場や国民も大きく混乱する可能性は高いと思われますが、日本の医療にとって避けては通れない課題と考えます。何より超高齢化社会を迎えた日本は、世界と比べても急速に高齢化が進んでおり、その変化に追い付いていないというのが現状でしょう。
ところで、最近の新聞記事に、医師が歯科に関して執筆している記事を多く目にするようになりました。全身の健康に歯科が大きく関係していることを認識している医師が増えてきたことは大変喜ばしいことであります。しかし、近年は特に都市型の歯科診療所は競争が激化しており、休廃業や解散件数が増加傾向にあります。これに加え、歯科開業医の後継者難や、院長の高齢による廃業・撤退を余儀なくされる歯科診療所が少なくありません。一方で、都市部を中心に駅近の立地で夜間診療、高級感がある内装にこだわる歯科診療所や、患者さんが全額自己負担するインプラントや、歯を漂白するホワイトニングなど、審美専門の歯科診療所が急増しています。利幅が大きいインプラント治療に参入する歯科診療所が急増したものの、平成19年インプラント治療中の患者さんが死亡した事故を契機に、インプラント治療の患者離れが広がっています。また、投資コストが少ないホワイトニングは、価格競争が激化し、採算割れとなるケースも少なくないようです。
以上のことから、今後も多くの歯科診療所では淘汰が進むことが予想されます。現在、病院や介護施設・診療所を運営している複数の法人を、一定地域ごとに一つに束ねるホールディングカンパニー(持ち株会社)形式の新型医療法人設立構想が動き始めていますが、同じ地域でホールディングカンパニーに属さない開業医などの診療所は、後継者問題に加え、患者さんの流出など事業環境への影響も懸念されます。
最後に、皆さんのようなファイナンシャルプランナーの役割は何なのかということを考えてみました。まず高齢化が進んでいる歯科診療所の事業承継の支援があります。この承継手続きは多岐にわたっての問題があり、これを俯瞰的に理解して手続きの支援をするということが期待されます。
さらにもう一歩踏み込んで、事業承継者の紹介支援というものを何等かの形で行えるようになることも求められるところです。そして、ライフプランの支援です。今、財政的に歯科診療所が経営的に苦しくなっていますので、ライフプランの支援が必要であると思います。さらに、リタイアメントです。これがどういうことなのかを実際に明確にして差し上げることです。そしてこういったことを含めて、リスクをきちんとヘッジできる保障リスクです。生命保険や所得補償などが、現在さまざまな形で商品化され、あるいは運用の方法も多様になっていますので、この適切な支援、適切なサポートが必要だろうと考えています。今回のセミナーでは、歯科開業医が持つべきライフプランの視点についても解説したいと思います。