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平成 26 年 1 月 15 日( 水 ) | |
全日本医療経営研究会 | |
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相続税の節税対策が大きな広がりを見せています。2015年の増税を控え、富裕層に加え、新たに納税を迫られる中流層も贈与などの活用に動いているようです。相続をめぐるトラブルを予防し、様々な節税対策を伝える実用本も書店に氾濫していますが、それに加えて相続人の権利が周知され、相続人間の紛争も増えています。相続は、相続人達を「争族」状態にしてしまいかねません。この紛争を予防するためには、相続制度の理解が不可欠ですが、今回の学習会もこのような観点から相続法制の理解を具体的に深めていただきたいと思います。
なかでも生前贈与は相続税対策における最も有効な手段です。住宅資金や教育資金における特例もあり、フルに活用すれば大きな節税効果が期待できます。2013年度税制改正で税率が一部緩和され、新たな特例も設けられた贈与税ですが、相続より贈与を制度面で優遇するという大きな流れに乗って、出来るだけ先生方の折り返しの人生設計をお一人おひとりに見合った贈与の手法でご提案いただきたいと思います。
ところで、相続の対象になる財産というのは、思いの外いろいろと見つかるものです。遺産分割協議では、こうした財産の価値をすべて評価した上で、それをどのように分けるかを相続人全員で話し合うことになります。
そして、相続財産に占める割合が最も大きいのが不動産です。バブル期には実に相続財産の70%近くが不動産でした。言い換えれば不動産が相続財産のほとんどを占めていて、他の財産はあまりないという状況が多いようです。ということは、相続財産をどう分割するかは、すなわち不動産をどう分割するかの問題になってきます。ここに相続問題がモメる大きな理由があります。現金や預貯金なら、取り分の問題はあっても最終的には分けることができますが、不動産は分けられない財産の代表格といえます。分けられない以上、「0」か「100」か、もしくは「100」をもらった人が「0」の人に代償金を支払って調整するか、不動産を売却して現金に換えるしかありません。不動産を共有するという方法もありますが、売却したり貸地にする場合にいちいち共有者間の協議が必要になるという問題があります。
そこで今回の学習会では、不動産のような「分けられない財産」の分割方法についてわかりやすく解説します。
さて相続税の課税強化を背景に、中高年の間でも生命保険を活用した相続対策に注目が集まっています。縮小が検討されていた保険金の非課税枠が2013年税制改正では据え置かれ、有効な節税手段として存在感が増しているためです。納税資金の工面や「争族」防止などの効果もあり、上手に使えば富裕層だけでなく一般世帯でも役立ちますので、相続セミナーで「財産を現金で持つより保険に変えておいた方が相続税を減らせる」と助言されたことなどで、現在掛けている終身保険の増額ニーズ等は相当高いようです。
一方、相続税の税務調査の対象が徐々に拡大し、申告チェックも細かくなってきています。調査する相続財産の金額基準が下がって裾野が広がったほか、課税財産の確定をめぐり、被相続人の生前贈与の経緯を詳しく聞かれたり、相続人以外の財産を綿密に調べたりする例もあります。そこで、じわりと強化に動く相続税調査の現状について、できるだけの情報をとりまとめ解説したいと思います。